第17回関東医療情報システム研究会見聞記



1.患者の権利と情報開示.聖路加看護大教授.岩井郁子氏
「日医療審議会中間報告(1999,7),「医療への患者参加を推進する情報公開と従事者教育と基盤整備に関する研究」の二つの資料を基に情報開示に関する理論を展開された。患者は自分の身体状況,健康問題と診断,治療のプロセスについて情報を知る権利があり,患者はそれを理解した上で治療方針・治療方法を自己決定によって選択し,医療従事者と患者との信頼関係のもとで共同して疾患・健康問題を克服すべきである。診療情報は患者に関する情報であり,情報をコントロールする権利は患者にある。患者が診療記録を見せてほしいと求めた場合に、診療記録そのものを示すこと。診療記録開示の法制化についてアンケート調査では,賛成は患者群が圧倒的に多いのに対し,医師群の半数は反対している。提供情報の中身が現在は統一化されておらず、保管方式や場所も含めてかなりの困難を伴っている。看護記録の構成要素をスリム化する必要特に申し送り,記録,カンファレンスの3点に関する時間の短縮(システム化等)が急務であると力説された。カルテの電子化にについて,医師側でも共通の認識であると考えた。

2.介護保険の最近の動きとケアマネージャの役割:板橋区介護保健課青山幹子氏
板橋区は早くから地域介護に取り組んでいて,来年4月施行予定の介護保険の雛形にもなっている。その経験と観点から介護保険制度施行後のメリット,デメリット等を分かりやすく解説された。現在厚生省で作成した介護認定サポートシステムの欠陥と円滑に進めるための私案,在宅・施設サービスの種類とカテゴリー,サービス内容,報酬等について明確に説明された。

3.介護保険−薬剤師の役割:日本薬剤師会理事中西敏夫氏
高齢者介護に関わる日本薬剤師会の試案について詳述し,在宅介護における薬剤師の関わり合いとその必要性について解説された。在宅高齢者に薬剤服用時の副作用などの説明が必要であるが、介護保険の業務の中に明示されておらず,将来起こるであろうトラブルの危惧を強調された。日本薬剤師会で作成した「高齢者ケア薬剤管理マニュアル」(CD-ROM付き)を紹介された。

コメント:看護記録の現状は医師のカルテ記載と同じで標準化にほど遠いことがよく分かった。介護保険そのものが未だに不透明,ましてやそのシステム化に到っては暗中模索、群盲像を撫でている?感じがして不安が募った。来年2月までにこの混乱が収まらねば4月スタートの事務準備が整わないとの皆さんのご意見であった。

文責:坂部長正(99/12/6)