16回研究会報告

第16回耳鼻科情報処理研究会報告


第16回耳鼻咽喉科情報処理研究会を終えて
和歌山県立医科大学耳鼻咽喉科 山中 昇

 今回の情報処理研究会では新しい試みとして、最近急増し、それと同時に問題点も噴出している医療関連ホームページについてシンポジウムとして取り上げました。
 日本人ほど公私を意識しながら、公私の区別が苦手な人種はないのではないでしょうか。公に自分の考えを表現するということに慣れておらず、ホームページという顔の見えない公表手段を手に入れたとたんに、この公私の区別を付けずになんでも公表してしまうという恐ろしい世界が突如出現しています。個人的な中傷をホームページで世界中に公表するというおぞましいことがおこっており、何も分からない幼児がパソコンをいじりだし、動き出したら世界につながっていたということかもしれません。
 医療においても情報ネットワークの構築と利用が叫ばれています。この医療における情報ネットワークの利用には極めてデリケートな問題を含んでおり、十分な討論と情報ネットワークに関する基本的知識の習得と考え方の成熟が必要と考えられます。正しい医療の啓蒙手段として無限の可能性を秘めているホームページが十分に機能するためには、情報およびネットワークを利用するもの、さらにネットワーク社会の成熟を待たねばならないのではないでしょうか。櫻井恒太郎教授による特別講演では、玉石混合の情報の洪水からどのようにして正しい情報を利用可能な形で取り出すのか、そのツールを持ち、ストラティジーを学ばなければならないことが強調され、また将来、医療情報ネットワークを利用する医学生をどのように教育し、医療情報学の基本的知識を習得させるか、その工夫が示され大変興味深く、また示唆に富むお話でした。
 電子カルテと言うことばが出現して久しいが、耳鼻咽喉科医にとって有用な電子カルテとはどのようなものなのでしょうか。もっとも忙しい外来診療科の一つである耳鼻咽喉科にとって、そもそも電子カルテが必要なのでしょうか。本研究会における討論がさらに発展し、今秋に耳鼻咽喉科における電子カルテを考えるセミナーが開催されることになりました。とても楽しみです。